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よくあるご質問

2021年6月17日

みなさまからよく聞かれるご質問についての回答を紹介いたします。

その他、不安なことやご不明なことはいつでもお気軽にお問い合わせください。

公正証書遺言と自筆証書遺言どちらを作成した方がよいですか?

当事務所では、遺言書は基本的に自筆証書遺言でなく、公正証書遺言をお勧めしています。

理由1.家庭裁判所での検認

自筆証書遺言は遺言者が亡くなられた後、相続人が勝手に内容を確認することはできず、裁判所で内容を確認する必要があります。これを検認と言います。これは、その遺言が亡くなられた方本人によって作成されたことを確認するための手続です。

一方、公正証書遺言は証人2名の面前で公証人によって作成されていますから、それが亡くなられた方本人が作成した遺言であることは確認済みですから、こうした検認手続きは必要ありません

また、自筆証書遺言であっても、2020年7月10日から開始された遺言書を法務局で保管できる制度を利用する場合は、検認の必要はありません

理由2.保管場所

公正証書遺言の場合は、原本は公証役場で保管されています。自筆証書遺言については、保管場所に決まりはなく、自宅や貸金庫等に保管することが多いです。そのため、相続人が遺言書を見つけることができず、遺言書を作成したにもかかわらず、その遺志が伝わらないという可能性もあります。

ただ、2020年7月10日以降開始された自筆証書遺言を法務局で保管する制度を利用することも可能です。

理由3.無効になる可能性に大きな差

公正証書遺言は、公証人が作成しているため、書類の不備によって無効になる可能性は極めて低く、また、公証人および証人2名確認しているため、遺言能力がないこと等を理由に無効となる可能性も低いです。

自筆証書遺言の場合は、第三者が書類の中身を確認することは必要ありませんので、書類上の不備によって無効になってしまうこともあります。また、認知症を患っていたこと等を理由に遺言能力がないとして、無効になってしまう可能性もあります。

公正証書遺言の場合

自筆証書遺言の問題となりやすい例

公正証書の遺言は、全国で年間どのくらいの人が作成しているのですか?

平成22年に公正証書遺言を作成された件数は、約82,000件に対し、

令和元年に公正証書遺言を作成された件数は、約113,000件となっております。

平成22年と令和元年の作成件数を見ての通り、年々増加傾向にあります。これは、ご相談者様から良くお話を伺うのですが、遺言者本人からではなく遺言者の配偶者または子供から遺言書を作成してほしいとご相談を受けます。

人それぞれ色々な思いがあっての事なのでしょうが「遺言を残してくれないと困るから・・・」「遺言を残してもらうと助かる・・・」等、親の死後に待っている相続手続(遺産分割協議)で困ってしまうのが目に見えている配偶者や子供にとって、「遺言を残さないで死なれては困ってしまう・・・」というのが悩みの種になっているのでしょう。

民法改正したから自筆証書遺言はワープロでもよくなったんだよね?

ご相談者様から最近よく質問されるのが、「民法改正したんだから自筆証書遺言をパソコンのワード等で作成し、署名欄を手書きにして押印すればいいんだよね?」←この質問多いです。

いいえそれは違います。

2019年1月12日までの自筆証書遺言は、遺言者が全て手書きで作成する必要がありましたが、2019年1月13日から、財産目録についてはパソコンで作成してもよいことになりました。よって、自筆証書遺言の場合は、全文(財産目録以外)を手書きにしなければなりませんが、財産の種類が多い方は、財産目録については手書きではなくて済みますので比較的に楽になったと言えるでしょう。

公正証書遺言が出来上がるのにどれくらい期間がかかるの?

まずお手続の流れは次の①~⑦のようになります。

お客様とご相談し、どのような遺言内容にするか等ヒアリング

②その内容によって、遺言書の文案に必要な戸籍等証明書を収集

③遺言書の文案等を作成し、遺言者様と内容を検討

④内容変更点等により不足分の書類等があれば、追加収集

公証役場にて、作成するための事務手続

⑥作成する日程の調整(遺言者様の都合の良い日に、公証役場・証人2名の日程)

当日公証役場等で、遺言者様・公証人・証人2名で作成・手数料支払後に遺言者様へお渡し

上記の流れから、「公証役場にて、作成するための事務手続」から通常2、3週間後に作成日を調整致します。

よって、ご依頼から作成するまでに通常1ヵ月程度の期間がかかります。なお、戸籍等証明書を交付する自治体が遠方の場合ですと、戸籍の郵送請求になりますので、更に期間がかかります。

最近テレビや新聞で目にする「遺留分」とは、なんですか?

遺留分とは、一定の相続人(配偶者、直系卑属、直系尊属)に保証されている最低限の相続分なんです。

極端な話になりますが遺言書を作成すれば、法定相続人以外の人に全財産を遺贈することも出来てしまいます。
しかし、それでは残された家族が住む家を失い、生活もできなくなるという事態も起こり得ます。こうした、あまりにも相続人に不利益な事態を防ぐため、民法では、遺産の一定割合の取得を相続人に保証する「遺留分(いりゅうぶん)」という制度が規定されています。

相続人の遺留分を侵害する遺言も、当然に無効となるわけではありません。遺留分を取り返す権利を行使するかどうかは相続人の自由であり、「自己の遺留分の範囲まで金銭の支払いを請求する『遺留分侵害額請求権』(いりゅうぶんしんがいがくせきゅうけん)」が行使されるまでは、有効な遺言として効力を有します。

しかし、遺留分を侵害された相続人が、遺留分侵害額請求権を行使すると、遺留分を侵害している者(受遺者や特別受益者等)は、侵害している遺留分の額の金銭を遺留分権利者に支払わなければならず、支払う額をめぐって争いなるケースもあるんです。

遺産をめぐる争いを防ぐ意味でも、各相続人の遺留分を考慮したうえで遺言書を作成したほうが争いになる可能性は低くなるでしょう。

遺留分請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与や遺贈の存在を知った時から1年で消滅時効にかかります。また、上記の各事実を知らなかったとしても、相続開始から10年が経過すると同様に権利行使ができなくなります。

Posted by watanabe