相続人はどう捜す?
相続人を確定するには、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの除籍謄本、改製原戸籍、戸籍謄本等を取得し、これを読みこなす作業を行います。そもそも、わかりきっている家族関係、相続人関係について、どうして、態々膨大な戸籍を集める必要があるのか疑問に思われる方がいるかもしれません。それは、実際に故人の親族関係がどのようなものであるかということは、やはり客観的な証拠に基づいて証明する必要(不動産の名義変更であれば法務局の職員等、銀行の預貯金であれば金融機関の行員等)があります。遺産相続という重要な権利義務関係を左右する事項であればなおさらです。
きちんと戸籍に基づいた相続人調査をしないと、思わぬ相続人を見落としたりして、法務局で不動産の名義変更または金融機関で預貯金解約等での遺産分割のやり直しになることは、意外と多いのが実情です。亡くなった方の戸籍を遡って(生まれたときまで)調査した結果、家族の知りえない亡くなった方の子どもが戸籍上存在しているということは、私も仕事柄この作業を行っていると意外と多いものです。ましてや、その者が故人より先に死亡していたりすると、その者の子どもについても現在の状況がわかるまで戸籍を追っていく必要があります。
このように、事情によっては相続人を確定するのに地道な作業を繰り返す必要があり、慣れていないと思わぬ足止めを喰う可能性もあります。親族関係がやや複雑な場合については、行政書士や司法書士等の専門家に最初から依頼してしまうことも選択肢の一つとも思えます。