遺言
遺言のススメ
きちんとした遺言書(公正証書遺言)を準備しているという方は、残念ながらまだまだ少数派です。
ほとんどの場合、お亡くなりになられた方が遺言書を書いていないので、残された相続人全員で話し合い、協議の結果を書面(遺産分割協議書)にまとめるという手順を踏むことになります。相続トラブルの原因の多くは、この「遺産分割協議」にあります。
当事務所にご相談されるお客様のお悩みも、遺言書さえあれば起きなかったはずの問題が多いです。
本来は、財産を残すご本人が「誰に」「何を」「どの位」譲るのかを決めておく方が、皆さんは納得しやすいと思われます。
相続人全員で「遺産分割協議を行う」と言えば聞こえはいいですが、話し合いはなかなか公平に進むことはありません。全員が自分の主張をはっきり言うことができ、他人の意見も聞くことができればいいですが、そのようなことは中々難しいのではないでしょうか。結局は声の大きい人やリーダー性が強い人が得をし、控えめな方は損をすることが多いのです。また、法律上は相続する権利のない兄弟姉妹や義理の兄弟等から遺産を分けろと主張されたら、残された奥様または旦那様やお子様はきっぱりと断れるでしょうか?
ここに書かせていただいた内容を読んで、少しでも「心配」「不安」とお感じになられたら、一度当事務所にご相談下さい。ご相談者様がお気づきになっていない問題点も明らかにして、どうすれば良いかアドバイスさせて頂きます。
また、相談したからといって依頼しないといけないという事はありません。
ご相談者様のお悩みや心配事を少しでも解決に向かうように一緒に考えてみませんか?
きちんとした遺言書には「相続を争続にならないための予防」だけでなく、「相続手続を簡略化」する効果があります。
遺言書作成をしておくメリット
「遺言書」をきちんと公正証書で残すと、以下のメリットがあります。
1.相続が争続になることが防げる
2.相続人が遺産分割方法について悩まなくてすむ
3.相続人全員の遺産分割協議の手間が省ける
4.預金口座や自宅の名義変更などの相続手続きが楽になる
5.法定相続人ではない人に財産を残すことができる
遺言書を残さないデメリット
1.家族であるはずの相続人同士で相続争いが起こる
2.相続人以外の世話になった人へ財産をあげたいという生前の意思は反映されない
3.相続人の人数が多いと相続手続きが複雑になる
4.未成年者が相続人の中にいると相続手続きが複雑になる
5.相続人がいない場合、最終的には相続財産は国のものとなります
遺言書作成すべき14のケース、遺言書はこんな方におすすめ!
8.すでに亡くなっている子供のお嫁さんのお世話になっており、お嫁さんに財産を残したい場合
10.相続手続のとき判子を押してくれるか不安な相続人がいる場合(相続人同士が不仲)
14.心が優しすぎる相続人(配偶者、子など)が気掛かりな場合
自筆証書遺言とは
自筆証書遺言書とは、遺言者が、全文(財産目録は例外)、日付、氏名を自分で書いて、遺言書に押印したものです。
自書(自分で書くこと)しなければならず、ワープロやパソコンを使用して全文を記載することはできません。
ただし、財産目録は例外です。
財産目録は、通帳のコピーや不動産の登記簿謄本などを利用することが可能です。
遺言書を発見した相続人などによって内容を改ざん・書換られる可能性があります。
自筆証書遺言書は、遺言書の保管・管理の仕方が主な原因となっているので、遺言書の保管・管理を行政機関である法務局がしてくれることで解消できます。
自筆証書遺言書保管制度とは
自筆証書遺言書保管制度とは、自筆証書遺言書を法務局(遺言書保管所)で保管してくれる制度です。
遺言書は、相続をめぐる紛争の防止に非常に有効な方法です。
死後も自分の財産を自分の思い通りに相続人やその他の方に託す方法として、さらには、相続をめぐる紛争を未然に防止する手段として、遺言書を書くことが広く普及するように、この制度が新たに設けられました。
令和2年(2020年)7月10日から本制度はスタートしました。
公正証書遺言とは
公正証書遺言とは、遺言者が遺言の内容を公証人に伝えて、公証人がこれに基づき公正証書による遺言書を作成する方式の遺言です。
法律の専門家である公証人(元検察官や裁判官の方など、法律に精通している人)が関わって遺言書を作成するので、遺言書の方式や内容の不備によって遺言書が将来無効となるおそれが極めて少なく、信頼性が高いことや、自筆証書遺言とは異なって、家庭裁判所での検認手続を経ることなく、迅速に遺言書の内容を実現することが可能であるといった特徴があります。
遺言書には、代表的なのは①自筆証書遺言②公正証書遺言の2つがありますが、公証人が関与して作られる公正証書遺言は信頼性が非常に高いです。
公正証書遺言を作成する場合、一般的には公証役場へ赴くのが通常ですが、出張料を払えば自宅や入院先の病院・施設等へ出張してもらうことも可能です。
遺言書の原本は公証役場で保管され、遺言者には正本や謄本(原本を複製したもの)が渡されますので、紛失しても再度発行してもらうことが可能です。